SRECo中級編A_第3回


下記の問題を解いて、提出して頂きます。参加者の方には、チャレンジした回答をメールで提出いただき、その後、模範回答の一例と、表現やニュアンス等に関する解説をお届けします。


 《 課題1 》 Challenge Level】★★

 

フランス人カップル、東京駅にて。

 

東京駅の片隅で、フランス人のカップルがなにやら困った様子でガイドブックをのぞき込んでいます。近くを通りかかったひとりの日本人に、彼女のほうが声をかけました。

 

仏: あのー、すみません。ちょっとお聞きしてもいいですか?

日: もちろんです。どうぞ。

仏: 谷根千に行きたいんですが。どうやっていけばいいんでしょう?

日: やねせん?どこですか、それ。

仏: でもガイドブックには観光人気スポットとして載ってます。

日: それって東京都内ですか?京都とかじゃないですか?

仏: いえいえ、東京って書いてあります。谷中銀座っていう有名な商店街があったり、谷根千周辺では昔ながらの日本の街並みが観れるって書いてあります、ここに。

日: ちょっと見せてもらっていいですか?あー、なるほど。日暮里から上野までの山手線の内側のエリアですね。私も行ったことはないんですが、日暮里駅への行き方はお教えできます。

仏: それは助かります。

日: まず、いまあなたがいるのは、ここ東京駅です。

仏: はい、わかります。

日: 上野・池袋方面に向かう山手線の電車に乗って下さい。側面に緑の線が引かれた電車です。

仏: 山手線ですね、わかりました。

日: 東京から神田、秋葉原、御徒町、上野、鶯谷を経て、6つ目の駅に当たる日暮里駅で降りて下さい。

仏: 6つ目の日暮里駅ですね、了解しました。

日: 日暮里駅についたら、そこからは他の人に聞いてみて下さい。

仏: ありがとう、本当に助かりました!

日: どういたしまして。日本での観光旅行を楽しんで下さいね!

 

 

《 課題2 》 Challenge Level】★★★

 

日暮里駅にて出会った親切な道案内人。

 

ふたりは日暮里駅で電車を降りました。とはいえ、どっちに行けばいいのかさえ全くわかりません。そこで、改札のすぐ外に立っていた男性にまた道を聞くことにしました。

 

彼氏:すみません、英語を話せますか?

男: お、アメちゃんか?

彼氏:いえ、違います。フランスから来ました。

男: おお、フランス人か。ルノーと日産は仲がいいな、がはは。

彼氏:ええ、個人的に2社の提携関係についてはよく知りませんが、私たちフランス人は日本が大好きですよ。

男: おい、お前、いいやつだな、兄弟!で、お前ら観光で来たのか?

彼氏: ええ、そうなんです。だからこの辺りで絶対行くべき観光名所を教えてもらいたいなと思ってたんです。

男: それならそうで言ってくれよ!回りくどくてわかりゃしねえよ!

彼氏: 最初から聞きたかったんですけど、アメリカ人か?って聞かれたんで…

男: ま、ちっちゃいことは気にすんな、ともだち!でもお前は幸運だよ、だって俺はこのエリアのマスターと呼ばれているからな!

彼氏: とりあえず、有名な商店街に行きたいんですけど。

男: 谷中商店街だろ?すぐそこだよ。駅の出口を出て左手は線路の上を走る陸橋になってるから、道に沿ってずっとまっすぐいけばわかるよ。坂を上り切ったところで五差路に当たるから、そこから斜め右に緩やかな坂道を下って行けば、商店街へ降りる階段がある。夕焼けだんだんって呼ばれてる有名な階段だよ。たまに猫なんかが昼寝してたりなんかしてな。で、商店街で何がしたいんだ?

彼氏: ぶらぶら散策しながら、お土産とか見たいですね。

彼女: 私、トイレにも行きたいわ。

男: トイレなんて、駅のトイレでいいじゃねえか!

彼女: 駅のトイレはもう行ったからいいの。綺麗だけど、それだけだった。私は日本伝統のトイレを見てみたいのよ。座席がなくて、しゃがまないといけないんでしょ?写真に撮ってインスタに投稿したいわ。

男: なんだそりゃ、えらいもんに興味あるんだな、姉さんは。そんなら、そこの橋渡った辺りで左に入る細い道があるから、そっから谷中霊園ん中に入ってけ。そこに公衆便所があっから、そこは確か和式便器だよ。

彼女: ほんとに?やば、興奮してきた!

彼氏: 彼女、トイレフェチなんですよ、はは。

彼女: あと私、日本の伝統的な建築物に興味があるんです。どこかオススメはありますか?

男: それなら、根津にいい場所がひとつあるな。串揚げ屋なんだけどな、文化建造物に指定された建物をそのまま使ってるんだ。俺なんかはなんも面白かねえよって思うけど、観光客とかがたまに写真撮ったりしてるよ。

彼女: なんていう場所なんですか?

男: なんだっけなぁ…。あ、思い出した、思い出した。はん亭っつったな。

彼女: ありがとう!ねえ、私達そこでランチするべきよ。

彼氏: そうだね、いいんじゃない?そこにはどうやって行けばいいんですか?

男: 谷中商店街からだと、商店街抜けて、よみせ通りっていう道に突き当たるから、そこを左方向にまっすぐ行け。そしたら、団子坂通りってのに当たるから、それも横切って、ペニー・レーンっていうカフェの脇にある細いくねくねした道をまっすぐずーっと行くんだよ。そこは「根津のへび道」て呼ばれてるんだけど、別にみるもんなんてなんもありゃしねえよ、つまんねえ道だ。くねくねを抜けると道がまっすぐになる。そのあたりで右側に曲がったら根津神社がある。根津神社も寄ってけ、有名なとこだから。

彼女: そこ、知ってる!ガイドブックで見たわ。

男; ただの神社だけどな、外人さんとか観光客の人には珍しいみたいだな。俺はほら、飲み屋くらいしかキョーミねえからよ。根津神社に行くには、不忍通りっていう大き目の通りを渡るんだが、その不忍通りを左に曲がってまっすぐ行くと、根津駅があって、そこからさらに道沿いを上野に向かって五百メートルくらい歩くと、左手に黒い色した古い建造物が見えるから。そこがはん亭だよ。

彼氏: ありがとうございます!すごい助かりました。

彼女: 日本人は親切って聞いていたけど、英語が話せない人が多いじゃないですか?英語がとってもお上手で驚きました。

男: 俺もいま英会話練習してっからよ!お兄さんお姉さんと話せて楽しかったよ。ほかにも色々いいとこあっから、楽しんでいきなよ!

彼氏・彼女: ありがとうございます!

 

《 課題3 》 Challenge Level】★★★

 

どうして人をいじめてはいけないの?

 

母親: ひろくん、今日先生からお電話があったわよ。

息子: え、なんて?

母親: ひろくんがね、クラスのお友達をいじめてるって先生言ってたよ。それ、本当?

息子: いじめてない。遊んでるだけだよ。

母親: でも、お友達はそう感じてないんじゃないの?

息子: うるさいな!あいつらが弱いから、すぐ泣くだけだよ!

母親: でも、ひろくんだって、もっと強い子から泣かされたら、いやでしょう?

息子: …うん。でも、俺だったら、いじめらそうになったら先に殴る。あいつら、叩いても何もやり返さずに黙ってやがるから、よけいむかつくんだよ、よえーやつらだなって。

母親: 何もやり返してこないのって、弱いのかな?なんか、話聞いてたら、お友達たちのほうが大人に聞こえるよ?すぐにカッとして暴力するのって、心が弱い人がやることだよ。本当に心が強い人は、そんな小さなことで怒るんじゃなくて、弱い人を守るんじゃない?

息子: あー、もう、うるせーな!どっかいけよ!どうせ誰も俺の味方じゃないんだろ?もういいよ!

母親: そうやってなんでも投げ出しちゃうのってさ、ひろくんの弱さだよ?ちゃんと自分の問題と向き合おう。

息子: うるせー、くそババア!(バシッ)

母親: 痛いっ!なにするの?

息子: やり返せばいいだろ?よえーなあ、みんなバカじゃねえの?母ちゃんも一緒だよ、あいつらと!

母親: そう。じゃあわかった。お母さん、いくらひろくんのお母さんだとは言っても、暴力するような子とは一緒に暮らせません。でも、お母さんは弱いからやり返さないんじゃなくて、ひろくんが好きで、大切だからやり返さないの。大事な大事なひろくんを傷つけたくないから。だから、お友達のママの気持ちがよくわかる。お母さんがひろくんに傷ついて欲しくないのと同じように、お友達のママだって、お友達に傷ついて欲しくないって思ってるんだよ。ひろくんはむかついたからって言ってその場で殴ったら満足かもしれないけど、お友達の周りには、お友達を大切に思っていて守りたい人たちがたくさんいるんだよ?ママはね、ひろくんが誰かから殴られたら、その子をぶん殴ってやりたいって思う。パパだって同じだよ?パパに本気で殴られたら、死んじゃうでしょ?そんな風に、お友達のお父さんお母さんに感じさせているんだよ?ねえひろくん、ひろくん一人で生きてるんじゃないの!わかるよね?

息子: …うん。

母親: ひろくんは本当はとっても優しい子だってわかってる。小さい頃、お母さんが風邪引いて倒れてたときに、ずっと横にいて泣きながらママ、ママって何度も名前を呼んでくれた。ひろくん、ママのこと好き?

息子: そんなこと、言わなくてもわかってるだろ!?

母親: わからないよ、ひろくん。ちゃんと言ってくれないと、お母さんにはわからないの。お母さんだけじゃないよ、お友達だって、先生だって、みんなみんな、ちゃんと言葉にしなきゃ伝わらないことっていっぱいあるんだよ?ちゃんと言って、お母さんのことをどう思ってる?

息子: …好きだよ。

母親: ありがとー、ひろくん!お母さんもひろくんのこと大事に思ってるよ、大好き。だから、わかってくれるよね?お母さんを悲しませたくないなら、もう、お友達やお友達のお母さんを悲しませないで欲しいの。むかつくこととか、イラっとすることはこれからもあると思う。だけどさ、そのたびに人を叩いたり、蹴ったりしたら、お友達もいなくなっちゃうし、お母さんもひろくんのことを大切に思えなくなっちゃうかも知れないでしょ?大切な人たちを悲しませるのは、ひろくんの弱い心。大切な人たちを守ろうとするのは、ひろくんの強い心だよ。強い子になりたいよね?

息子: …うん。なりたい。

母親: ひろくんは強い子だって、お母さん知ってる。じゃあ、明日先生とお友達にちゃんと謝ることできる?

息子: …わかった。

母親: お母さん、ひろくんのことを本当に誇りに思うわ。(ぎゅっと抱きしめる)

 

《 課題4 》 Challenge Level】★★★★

 

どうして勉強しなくちゃいけないの?

 

母親: ひろくん、昨日、先生からまた電話があったよ。

息子: またかよ?俺、なんもやってねーし。

母親: そう、なんもやってないから連絡がきたの。ちゃんと勉強してないでしょ?クラス中に消しゴム投げたり、窓から外に出ていったり、宿題もぜんぜんやって来ないって先生心配してたよ?

息子: 勉強なんて、やってるやつがバカじゃん。俺、将来ユーチューバーになるって決めたんだ。勉強なんかしなくたって、ユーチューバーにはなれるってみんな言ってるし。

母親: ひろくん、今いくつだっけ?

息子: 10歳だよ。

母親: ユーチューブって、いつから始まったか知ってる?

息子: 知らない。ずっとあったんじゃねーの?

母親: お母さんがひろくんを2008年に産む前にはほとんど誰もユーチューブなんて知らなかったし、ユーチューバーって言葉が出てきたのって、お母さんがひろくんを産んだあとだよ。

息子: ふーん。だから?

母親: ひろくん、いつからユーチューバーになりたいの?

息子: わかんねーけど、高校生ぐらいかな。

母親: その頃には、ユーチューブってまだあると思う?

息子: …考えたことない。

母親: ユーチューブの前には、ニコニコ動画とか、その前にはそもそも動画配信とかはなくて、お母さんとかの頃はブログとかミクシィっていうのが人気だったのね。いまお父さんが使ってるパスコンとか、お母さんが使ってるアイパッドとか、ひろくんが使ってるスマホだって、まだ最近出てきたばかりなのね。で、その前にみんなが使ってたガラケーとか、PHSとか、ひろくん知らないでしょ?全部、登場しては、数年して消えていっちゃったの。

息子: なんで?

母親: 新しくてより優れたものが出てきたから、いらなくなっちゃったのね。いらないものなら、誰も買わないでしょ?時代はどんどん変化していくから、その変化についていけないと、消えていっちゃうしかないの。

息子: どうやったらついていけるの?

母親: 将来どういう風に世の中が変わっていくか、をいつも予測することが大事。例えば、つい最近までは、今年は東京オリンピックって言われて盛り上がってたはずなのに、今コロナ問題で大騒ぎになってるでしょ?お父さんだって、会社に行くのをやめて、おうちで毎日お仕事してるよね?このままコロナウイルスの騒ぎが続けば、みんながお外でお金を使わなくなって、そしたら色んなお店とか会社とかが潰れちゃうよね?そしたら、世の中にお金が回らなくなって、お金が回らなくなったら世の中のサービス自体が止まっちゃうでしょ?そしたらスーパーとかにもモノがなくなってしまって、いま普通に変えるモノの値段がものすごく高くなるかも知れない。ひろくんなら、どうやってこの問題を解決する?

息子: …お金をなくして、モノの値段を全部無料にする。

母親: すごい、面白い考えだね!だけど、どうしてモノの値段が無料になったら、問題が解決すると思うの?

息子: …お金がなくても、食べ物が買えるから。

母親: そうだよね。だけどさ、それってひろくんの目から見た解決でしかないよね?じゃあ、モノを作っている人や、それを運んでいる人、それを売っている人たちはどうやってお金を稼いで、ごはんを食べればいいの?

息子: わかんねーよ、難しすぎ。

母親: そう、とっても難しいの。そして、そんな難しい社会全体の問題に取り組んでいるのが、政治家とか偉い人達だよね。でも、その政治家を動かしているのは誰だかわかる?

息子: わかんない。宇宙人?

母親: ひろくん、すごい発想力だね!そうだったらすごいんだけど、違うの。ママやパパも含めた、18歳以上の大人の日本人全員なのよ。ひろくんも、18になったら、政治家を動かせるようになるの。

息子: そうなの?

母親: そう。ただ、世の中を動かせる人になるためには、ちゃんとお勉強をする必要があるの。例えば、歴史の授業は好き?

息子: ちょー嫌い。

母親: でも、未来に何が起こるかを考えようとしたら、過去の歴史で起きてきたことを知らないと、ちんぷんかんぷんになっちゃうよね。ユーチューブがこの先もずっと続くことはないっていうのは、同じようなことが何度も起きてきた、という歴史が経験したことを勉強しているからわかるの。

息子: うん。でもなんか新しいのがまた生まれるんでしょ?

母親: その通り!ひろくんは学習能力が高いね!

息子: 俺、勉強に興味がないからやってないだけで、別にバカじゃないから。

母親: わかってる。ひろくん、将来ユーチューバー以外でやってみたいことはある?

息子: 俺、政治家になって、世の中を助けたい。

母親: すごい!政治家になるためには、誰よりも「考える力」と「解決する力」、あとは「伝える力」が大事だから、算数とか国語、社会、歴史とかはその能力を高めるためにあるんだよ。

息子: 俺、勉強頑張るわ。

母親: お母さんも応援してる♪

 

《 おまけ 》 Challenge Level】★★★★★

 

季節の到来

 

ひらり、ひらり、ひらり。

 

ふと目を上げた僕の目の前に舞う花びらは、桜の季節の到来を僕に告げた。

 

別れの淋しさと同じくらい、新しい出会いへと向かって心は弾む、

そんなときめく季節だったはずなのに、最近はなんだか少し物憂げさのほうが勝る。

 

昨年の今頃、一人の友人が死んだ。

桜のように、ひらり、ひらり、ひらり、と。

 

ひらり、ひらり、ひらり。

まるで彼女がもう一度空から舞い降りたかのように。

花びらは、やがて大地の床に横たわる。

 

そのうち、どれが僕の見つめていた花びらなのかさえ見失う。

 

少し目を閉じたあと、僕はふたたび目を上げる。

物憂げな刹那のあとに突如湧き出す、抑えきれない高揚感。

僕はときめく。

 

さあ、走って、この桜のトンネルを抜けようか。

 

 

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